失う価値
僕は横恋慕モノがすきです
もうすぐジューンブライドのこの時期に言うのもアレですが
横恋慕って何かって言うと俗に言うNTRっていうやつです
僕がコレを好きになったきっかけは学生時代でした
学生時代好きな人がいて何度もアプローチしてようやく付き合えた人がいました付き合った当初は嬉しくって自慢でした
周りにひけらかさず心のそこでこっそり自慢をしていた
しかしある時その価値が消えた
付き合って気付く、手に入らないということその価値が、手に入ったらその価値は無くなる。手にあるものに価値がなくなった
最低な僕だ、手に入るまでが美しく手に入れたら不要になる。相手の気持ちに気付かず
そして密にしていた連絡も少しずつ適当になる、相手に気付かせないように悟られないように
僕の汚い所を察せられないように
しかし、ある時その子からLINEが返ってこなくなる
見てないだけなのかそう思ったが三日経っても返ってこない
僕はこれを知ってるLINEをブロックされたのだ
ボタン1つで蚊帳を張られてしまったのだ
その日少し泣いて落ち着かせてもまた泣けてしまった、価値がなかったんじゃなかったのかと思い抑えようとしている理性はあるが認められない獣性が雄叫びを上げている
それを忘れようと努力して過ごした3ヶ月、創作に打ち込み、脚本の公演をした
学友と遊ぶ、バドミントンのラリーが上手くなっていく
ふと思い出したようにお気に入りに入れていたあの子のLINEのプロフィールが変わっている
愛してるの文字
希望の文字に絶望を突きつけられている
震える指でプロフィールを見る
彼女、もう蚊帳の中にいる姫は他の男と付き合っているのがわかる写真が目に入る
男と接吻を交わす彼女の写真がある
憎しみからその男の劣った点しか目に入らないからなんでこんな奴と思うが
既に追い出された蟲の僕のほうがよっぽど醜く、ちっぽけなのに
その時失った彼女の価値が蘇り二度と手に入る彼女はとても美しく見えた
涙も流せず声も出ない、ただただ蟲は蚊帳の中で育まれる愛をただ周りで羽ばたき眺めることしかできなかった