賢者の贈り物
僕は賢者の贈り物という話が好きです
話の内容としては互いに贈り物を贈ったが贈り物を買う過程で贈り物が必要になるものを手放してしまっていた為、無意味なものになってしまったがふたりは思いやりの心を手に入れたという話っです
僕自身この話を知ったのは漫画の中で、劇中で「髪は伸びるし時計はまた買えばいい」と言われていたのを覚えている
今日とある方が「これまで色々やってきたが見返りが少なくて悲しい」と言っていた。僕はその人の努力は否定しないし、そう思うのは当然だと思う
だけど贈ったから何かが返ってくると期待しない方がいいのだ。その方が自分も相手もきっと気楽だから
ただあなたがもらった側なら何か相手の為を思って作った何かを渡すときっとそれが一番喜ばれると思うのでやってみてあげてほしい、思いやる気持ちが一番人には喜ばれるものだから
今日、僕は夜、近所のラーメン屋へ行った。いつも並んでいる人気店だったが、好きなメニューが無くなってから行ってなかったのだ
まぁたまにはと思い、気分転換で向かった
空いていたので4人がけの席に案内された。しかし僕は知っていた。いつもの調子ならこの店は客そろそろ並びだしてくる。
案の定、並び始めカップルがはじめに入ってきて、5分も立たずして、店員にカウンター席に移るように言われ、素直に従う。カップルからは何も言われないし店員からはすいませんの一言で終わるそんなものだろうと思い、料理を待つ。そして5分くらいで運ばれてくる。
くだらない僕のことだが僕はラーメン屋で卵を毎回抜いてくれというくらい卵がきらいだ。
運ばれてきた油そばには見事に半熟卵が入っている。店主からの思いやりだろうが、無情だ。ただ僕が卵嫌いなだけで、この好意を無駄にしている。居辛い気持ちを抑え油そばをかっこみ10分も立たず店を出る。
そして甘いものが食べたくなり果物を求め、近くのスーパーへ行く苺は高いななど見ながらメロンに目がつく、ひときれ280円で並んでいる。幼少期の親戚とメロン狩りに行ったことを懐かしみ眺める。
ふと1つのメロンが包を貫いて果肉をはみ出させている
誰も買わなければ、このメロンはこのまま廃棄という断頭台へ向かい、人間に食われるために生まれた意味を無くすだろう
それをなんとなく哀れに思ってレジへ持っていく店員に「突き抜けてますね」と言われるが、てきとうに返事をし会計を済ませる
そのまま家へ向かいメロンに食欲というギロチンの刃を落としてやる
これが僕の思いやりだ