足場
「俺は人生の主人公だからさ!」
そんなことを大学時代の同級生が言っていた
僕はあまり彼が得意ではなかったがこれで僕と彼は価値観が違うんだと気付いた
僕は自分を人生の中心に置いていない
それは自分が大事じゃないとか死にたいとかそういうことじゃない
ただ真ん中にいたくない、いられない
自分を主人公にして幸せに目立って生きていく
その為に周りに苦労させたり、他の人の自己を犠牲にしていくのを見ていくのが耐えられないのだ
器が貧しい僕に
百均のグラスの僕に聖人のぶどう酒という優しいあなたの好意を注がないでおくれ
僕には濁醪を
器にあった好意を悪意を注いでおくれ
ただ目立つために生きているんじゃないの
僕には僕の立つ位置があって、主役じゃない道化でいさせてくれ
ただ僕という何かがそこにあったことを覚えておいて
それが僕の一番立ちたい席だから