欺瞞
僕はいつも嘘をついている
正直者だったことはない
怒られないために嘘をつく、嘘がバレない内に嘘を真にしている
それでいつも上司からは「君は正直だから」と言われる
作った真実であることを疑わない
騙されたふりをしているのだろうか、きっとこの人は僕より賢い筈なのに
ハリボテの砦で騙されているわけはないと僕は信じている
僕は嘘をつくことで誰も信じられなくなっている
しかしそれでいいんだ嘘はバレたら嘘だから
日を浴びなければそれは真実になるから
だから今日も僕はハリボテの砦に煉瓦を並べる
いつかそれが城塞になるように孤独に積んでいる
この努力がバレませんように
この積み上げが無益でありますように