月の光と夜想曲
疲れたときには人の声を聴きたくないので声のない音を聴く、そんなときにいつもクラシックを聴いている
慰めの言葉は回復するが回復する前に相手の言葉を反芻しなければ脳に入らず疲労の方が勝って逆に疲れるそんなときは自然治癒にしか頼れない
そんなときにショパンでもドビュッシーでもいいただ考えない曲を聴く、彼らは考えられるために創作したかもしれないが僕には考える余裕がない
余裕を生むための体力を養う為にただ落ち着けるテンポの曲を聴く、揺り籠で眠る赤子のように余裕を持ちたいから
人は考える葦というが考えるのをやめたらただの葦なのだろうかと思いサーチエンジンを動かすと「最も弱いものだが考えることができる」という意味だったらしい
弱いからこそ考えられなくなる僕はどうすれば良いのだろうか
弱いからこそなにかに縋ろうとしたいが僕は縋るということすら考えないただの葦だ
ただ折れていくのを受け入れていく
しかしきっとまた日が差せば空へ上がりたがるだろうか
折れたあとの僕に託す