アメリカンスピリット
君をやめて一週間
やめて3日は苦しかったのに今じゃ何も思わない
前までは一箱吸っても足りなかったのに
細くなった君を見て、どうしてと言ったのに
ちょっとした変化がもどかしかったのに
今じゃ君の横顔を見ても何も思えない
君を真っ直ぐ見つめることは出来なかったけど
その理由は今日、君のいなくなった後を片付けていて気付いたんだ
君の抜け殻の香りを嗅いで故郷の友人との悪戯を思い出す
まだ未熟な僕たちの身体に君は重かったけれど
二人で重ねたあの煙に
少しだけ無駄に大人の一歩を踏み出した
君の香りが染み付いた上着を羽織って家に帰ると
普段僕に声をかけてくれない母親が
「どこに行ってきたの」と責め問うて
胸の中で反抗心で「友達の所だよ」とだけ意地悪く返事する
生意気な僕のことを忘れさせないで
君の他にもたくさん吸ったのに
美味しく感じられたような気がしたのは君だけだった
ただ本当に僕が吸いたかったのは友人との初めての悪戯の香りだけだったんだ